自分用メモ(Azgaar's Fantasy Map Generatorの国)
Azgaar's Fantasy Map Generatorの国
訳語は自分の中で呼ぶために適当につけたものなので真に受けないこと(例、Duchy(公爵領), Grand Duchy(公国), Principality(大公国))
国は政体で大きく3つに分けられる;monarchy(君主制)、republic(共和制)、union(国家連合)
この3つのほか、Nomadic(遊牧民)文化の地域にできるHorde(営)、Organized(制度化された)宗教の地域にできるtheocracy(神権政治)がある。
monarchy(君主制)
君主制の国はexpansionism tier(膨張主義の段階)に応じてDuchy(公爵領), Grand Duchy(公国), Principality(大公国), Kingdom(王国), Empire(帝国)と呼ばれる。
Duchy(公爵領)
現在のヨーロッパでは公爵の治める地域はどれも王国ないし帝国の一部であるが、中世までさかのぼればブルゴーニュのように独立した主権を有するDuchy(公国)が存在した。公爵とはそもそも中国夏王朝・周王朝での五等爵公侯伯子男の最上位であり都市国家の首長の中でも特に有力なものを指した。日本なら大大名。Dukeはラテン語のDuxに由来し、ローマの将軍に与えられた称号だったが異民族(ゲルマン、ケルト)の首長にも与えられ、時代が下るとフランク人やフランク人の支配下の諸氏族の首長が名乗るようになった。その後王の与える最高位の爵位となった。そんなわけでDuchyってんなら王を名乗れないくらいの小国だと思えばいいんじゃないですかね。
Marches(侯爵領)
接してる国のvassal(属国)であり膨張主義が最低位の君主制の国にMarches(侯爵領)がある(生成条件からしてあんまり見ないはず)。侯爵は五等爵で公爵の下、日本で言うなら小大名?MarquessはMarkgraf(辺境伯)に由来するあたりからだいたいノリは分かるでしょう。
Grand Duchy(公国)
Dukeの一個上であるGrand Dukeが治める国。対応する爵位は東アジアにはないので公の中でも強い奴だと思えば。
Duchy(公爵領), Grand Duchy(公国)の派生
Emirate(首長国)
アラブ文化圏でDuchy(公爵領), Grand Duchy(公国)の代わりに生成。Caliphate(イスラム帝国)や王国の下なのでアラブの小王国と思えばいい(コルドバ王国とか)。
Despotate(専制公国)
ギリシャ文化圏でDuchy(公爵領), Grand Duchy(公国)の代わりに生成。Despot、δεσπότης(専制公)は元々ビザンツ帝国の爵位で皇子に与えられた。その後皇帝の前段階の称号として扱われたり(エピロス専制侯国)、皇帝に屈した対立皇帝の称号になったり(モレアス専制公領)した。ビザンツ影響下のバルカンの小王国なんかも専制公国の称号を持ってたりする。
Ulus(汗国)
モンゴル文化圏でDuchy(公爵領), Grand Duchy(公国)の代わりに生成。ulusはもともと「国」「人々」くらいの意味でKhan(汗)などの君主が支配する国を指す。
Khaganate(モンゴル帝国)の下なのでここではKhanate(汗国)と同義と思うことにした。要はモンゴル(とその影響下の諸文化)の小王国。
Beylik(君侯国)
テュルク文化圏でDuchy(公爵領), Grand Duchy(公国)の代わりに生成。Bey、بك(ベイ)はテュルク系の有力者。語源はペルシャ語だとか中国語の「伯」だとか言われてるけど考えるだけ無駄です。モンゴルによるセルジューク朝攻略後にアナトリア各地でベイたちが独立していったのがBeylik(君侯国)であり、小国同士で小競り合いをしていくうちにその中の一つオスマン侯国が勢力を伸ばしてのちのオスマン帝国となった。要はテュルクの小王国。
Satrapy(太守管区)
ペルシャ文化圏でDuchy(公爵領), Grand Duchy(公国)の代わりに生成。Satrap、satrápēs(サトラップ)はメディア王国やササン朝ペルシャでの州の行政官。各王朝の末期において中央が衰えると独立するようになる。
Principality(大公国)
Princeの治める国。Princeはラテン語のprincepsに由来し元々は「ギリギリ王を名乗れない貴族」を指す称号。リヒテンシュタイン公国やモナコ公国、あるいはコンデ公のように国内の爵位としても存在する。またこれとは別に君主一族の男子がPrinceと呼ばれることもあるがこれはPrince of the bloodということ。要するにPrincipalityは小王国。あとスラヴでのкнязьもprinceと同格として扱われる。これはゲルマン祖語の*kuningazに由来して初期の封建制君主を指す。
Kingdom(王国)
King(王)の治める国。中国では秦による中原統一までは天下でただ一人の君主を王と呼び、戦国時代には諸侯がみな王を名乗って覇を争った。ヨーロッパでのKingはゲルマン諸部族の長がキリスト教化と神から与えられた王権を根拠として名乗ったものである。
Grand Duchy(公国), Kingdom(王国)の派生
Shogunate(幕府)
日本文化圏でGrand Duchy(公国), Kingdom(王国)の代わりに生成。将軍の治める国。考えてみれば幕府の長は征夷"大将軍"であり日本国"王"(足利義満)であるので辻褄は合う。
Empire(帝国)
皇帝の治める国。皇帝号の起源は中華皇帝かローマ皇帝で、転じて一世界を統一した君主号も皇帝と訳される(ペルシャのシャーやトンガ皇帝)。
Empire(帝国)の派生
Caliphate(イスラム帝国)
アラブ、ベルベル文化圏でEmpire(帝国)の代わりに生成。カリフの治める国。いやまあ実際はスルタンだったりするんですが。
Kingdom(王国), Empire(帝国)の派生
Sultanate(イスラム王朝)
テュルク文化圏でKingdom(王国), Empire(帝国)の代わりに生成。スルタンの治める国。スルタンとカリフはちょうど神聖ローマ皇帝とローマ教皇みたいな関係ではあるが別にカリフによる任命が必須というわけではない。テュルクに限定する必要はないのでは???
Tsardom(皇国)
ルーシ文化圏でKingdom(王国), Empire(帝国)の代わりに生成。ツァーリの治める国。царьはcaesarに由来する皇帝号ではあるもののEmperorやKingとは若干違うので別枠に入れられる。
Khaganate(モンゴル帝国)
モンゴル文化圏でKingdom(王国), Empire(帝国)の代わりに生成。カアンの治める国。qaγanもqanも古の遊牧民族の君主号である可汗に由来するもののモンゴル帝国成立後だんだん使い分けがされるようになったらしい。
Duchy(公爵領), Grand Duchy(公国), Principality(大公国), Kingdom(王国), Empire(帝国)の派生
他国の属国である君主制の国は膨張主義の段階にかかわらずProtectorate(保護国)と呼ばれることがある。
republic(共和制)
共和制の国には以下のものがある。数字は生成される割合;Republic(共和国):70, Federation(連邦):2, Oligarchy(寡頭制):2, Tetrarchy(四頭制):1, Triumvirate(三頭制):1, Diarchy(二頭制):1, Trade Company(会社統治領):3
Republic(共和国)
君主の存在しない国家。君主さえいなければいいので貴族が専制的に支配してても共和国なんだよなぁ……
Federation(連邦)
複数の国が連合して一つの主権を持つ国家。周辺の大国に立ち向かうために小国が寄り集まって主権を一つにするという成立過程を踏む。ので各成員に君主がいる(マレーシア)とか主権を代表する君主がいる(ベルギー)とか。
Oligarchy(寡頭制)
何らかで優越した少数の人々により政治権力が独占された政体。ギリシャの諸都市国家とか共和制ローマとか。
Tetrarchy(四頭制)
4人による寡頭制。ローマのテトラルキア(軍人皇帝が多すぎたので正帝2人と副帝2人)しか思いつかない。
Triumvirate(三頭制)
3人による寡頭制。共和制ローマの末期の三頭政治。
Diarchy(二頭制)
2人による寡頭制。具体例は思いつきません。
Trade Company(会社統治領)
貿易会社によって行政を代行された植民地。東インド会社とかハドソン湾会社とかそういうやつ。
共和制の国の派生
Free City(自由市)、City-state(市国)
都市を一つしか持たない共和制の国。フィウメとか?シンガポールは自由市と言えなくもない。
union(国家連合)
国家連合の国には以下のものがある。数字は生成される割合;Union(統一):3, League(同盟):4, Confederation(連合):1, United Kingdom(連合王国):1, United Republic(連合共和国):1, United Provinces(連合諸州):2, Commonwealth(共同体):1, Heptarchy(七王国):1
Union(統一)
複数の国が連合して一つの主権を持つ国家となった状態。イタリアの統一とか。
League(同盟)
複数の国(都市国家など)が連合して結成した政治体。Federation(連邦)と違って主権は失われない。
Confederation(連合)
複数の国が連合したもの。Federation(連邦)と違って主権は失われないが、連合は往々にして連邦へ発展する(アメリカ合衆国とか)。
United Kingdom(連合王国)
複数の王国の同君連合、あるいは複数の国からなる王国。前者がカルマル同盟で後者がネーデルランド連合王国。
United Republic(連合共和国)
複数の共和国の連合、あるいは複数の国からなる共和国。
United Provinces(連合諸州)
国家以外のものも含む連合。フランス革命までのネーデルランドとか。
Heptarchy(七王国)
小王国群。ブリテン島のアングロサクソン七王国も七代王国以外も指すしまあうん。
Horde(営)
遊牧民の群れ。hordeは一般名詞なので言うことは何もありません。
theocracy(神権政治)
神権政治とは神(または神によって導かれたことになっている僧侶など)によって直接運営される政治。神権政治の国は現代だとバチカン市国とイランくらい、ちょっとさかのぼればモルモン教徒の支配していたユタ準州、16世紀のプロテスタントによるミュンスターやジェノヴァやチューリッヒなんかも神権政治。政教一致のなかでも教会が上位な政体で、逆に政府が上位だとローマ帝国やらイギリスやらになる。
Theocracy(教国)
国号としての"theocracy"と言われても困る。まあ[宗教名]国とでも言うか神権国とでも言うか、どうしましょうね。
Theocracy(教国)の派生
Diocese(司教領)
ヨーロッパ諸文化圏(ギリシャ、ルーシを除く)でTheocracy(教国)の代わりに生成。Dioceseはbishop(司教)が管轄する地域で、普通は"教区"という訳が与えられる。国号としては司教が治めるので司教領でいいのでは?
Eparchy(主教)
ギリシャ、ルーシ文化圏でTheocracy(教国)の代わりに生成。正教会におけるDiocese。日本の正教会ではbishopの訳語が主教なのでそれに倣う。
Imamah(イマーム国)
ニジェール、テュルク文化圏でTheocracy(教国)の代わりに生成。ここでいうImam(イマーム)はスンニ派において各共同体の指導者を指す。シーア派のそれだと全ムスリムの最高指導者になるのでニュアンスがずれる。ところでなんでニジェールひとくくりなんでしょうね、フラニ人の18世紀の王国は確かにImamateですがフラニ人がハウサ地域を支配したソコト帝国はなんとカリフがいるのでCaliphate。
Caliphate(カリフ国)
アラブ、ベルベル、スワヒリ文化圏でTheocracy(教国)の代わりに生成。大昔はカリフはイスラム帝国のトップなので基本一人だけ(3カリフ帝国時代が異常なだけ)だけどもオスマン帝国くらい時代が下るとアフリカやインドやそこらじゅうで強いイマームやスルタンがカリフを名乗ったりする。